こぐらす日記

ここは思いついたことをただ呟くところで話バラバラ気分次第

NHK 韓国の夜明け光州事件

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 数年前に放送された番組だが、今回はじめて見た。ひとことで言うと、韓国人てすごいな、という思いに至った。

 光州事件の映像をこれだけしっかり見たのは初めてだし、光州事件の経過とその後の民主化運動への流れなども、改めて確認できた。正直あまり知らないままに光州事件とのちの民主化運動を頭の中で混同してしまっていたりした。そもそも、韓国の政権の流れについて生半可なので、ちょっとよくわからない説明や映像もあったのだが、それはともかくとして、光州とのちの民主化運動の映像を見ることで、韓国の民衆の高度な政治意識をつよく実感した。大戦後の分断された国の状況や独裁政権の出現などによって韓国民衆の意識は鍛えられ、こんなにも高度なものになったのだろう。その後のパククネ弾劾、そして今回の大統領選の高い投票率にしても、日本ではとうてい考えられない民の力の強さだ。

 かつて、というのは私が若い世代だった70年代頃のことだが、困惑の政治体制の下で貧しそうに苦しそうに見えていた韓国に比べ、自由で民主的なわが日本は優越していると、正直思っていたものだった。そして韓国が今や日本を追い抜く経済大国となった今も、なかなか心のどこかに巣くっているその古い観念は消え去らずにいたようにと思う、実のところ。

 しかし、いま、こうして民主化運動によって現実に国を変えた姿をじっくりみせられて、まったく考えが変わった。韓国の民衆が鍛えられ進化していった戦後何十年の間に、日本人はどうしていただろうか。アメリカとの関係を中心とする国際情勢のおかげでうまい具合に経済成長大きく成し遂げ、ついにバブルで浮かれ、結果、精神性は大きく劣化させ、汚染されきった衆愚政治を、なんと正々堂々の民主的選挙によって継続中だ。哀しい。

 戦前のことは戦後世代にははっきりとはわからないが、少なくとも戦後に限って言うと、韓国人と日本人では人間の土台の大きさ深さが違ってしまったのだなあと思う。べつに韓国のような社会運動ができればえらいと言いたいのではない。それぞれの在り方というものがもちろんあるだろう。ただ、思うのは、深い根っこのところで、負けているんだなとはっきり感じるのだ。経済だけではなく、幅広く人間的に。