こぐらす日記

ここは思いついたことをただ呟くところで話バラバラ気分次第

「ドライブ・マイ・カー」やはり観てしまった

 原作と映画は別物ということは、わかっているつもりなので、あれちゃう、これちゃう、と、あまり言う気はないのだが、ひとつだけ我慢ならないのは、あの妻の不倫問題が、つまらない相手とのつまらない関係に描かれていたことだ。そしてそのつまらない彼女彼らはつまらない人ら、というステレオタイプ。これは、原作のもつ意味とあまりにも違う視点の浅さで驚いてしまった。こういうふうにしか世界を見ない人に村上はあまりにも無理だ。

 

 で、原作のことはそれでおいといてだが、ごく単純に、強い不快感をおぼえる作品だった。手話がでてきたり、障碍者が出てきたり、韓国の人というのが意味深にでてきたり、家族の虐待問題も出てきたり、現在社会の重たい問題あれもこれもと盛りだくさん。いっぺんにやりますのんそんなん?と、お口あんぐりになってしまった。人の苦しみでお遊び中という感じしかしない。舐めているのか?本当に心から不快だった。

 

 私は「寝ても、、」しか観ていなくて知らないが、きっと、この監督はこれ以前に、ずいぶんとよい映画を撮ってきたのだろう。それで、ここにきて、このあたりでショウ、ということででアカデミーなんでしょう。

 こぞって賞賛されながら、その後とくに長く忘れられずに語り続けられたりはしない映画というのがある。これはそういうものだと私は予言してしまうよ。たとえば、今回復活のジェーンカンピオンの「ピアノレッスン」がその類。

 

とはいえ、映像的には、どでかい風景パワーに観ている人らは惹かれるのだろうなとは思う。そこに嵌れば、突っ込む気は薄まるのかも。なんで突然二人で車で北海道行かないかんねーん、とか、些細なツッコミは、しなくなるのかも。映画って色々あっていいんで、それはそれでいいんでしょう。スクリーンで観ていないのでそのへんはわからないが、まあ、もう観ることはないだろう。